ノートとペンの相性についての個人的な話。
先日、「エナージェル ユーロ」というぺんてる社製ボールペンがいいんだよね、という話をした↓。
これを見たらしい友人が、「俺にはイマイチだった」と伝えてきた。ははは。別にクレームということではなく、世間話のついでに、ぐらいの感じ。
それで、重要な前提を書くのをすっかり忘れていたことに気付いた。ので、補足してみる。
▼エナージェルは青、そしてクレールフォンテーヌ
エナージェル ユーロは、0.7mm。という要素までは書いた。さらにここに条件みたいなものを付け加える。それは、
⇒インク色は青、そして紙はクレールフォンテーヌ
……という、ごくごく個人的な好みの話。
どういうことかと言えば、単に、クレールフォンテーヌのノートに青インクで書くと、書いた紙面がなんだかそれっぽい、しっくり来る、落ち着く……というような話。好み。
クレールフォンテーヌというのは、フランスの大手文房具メーカー。手帳のクオバディスとか、メモのRHODIAとかのグループらしい。
で、ここで言うクレールフォンテーヌのノートとは、例のRHODIAと同じ、ベラム紙+薄紫色の罫線の紙を指す。↓こういうの(左はRHODIA。同じ紙、同じ罫線の色)。
公式サイトの商品ページ↓
アージュバッグ 3ポケット付ノート A5 クオバディス・ジャパン オンラインショップ
写真ではわかりづらいかもしれないが、かなり目立つ、紫色の罫線。この、言ってみれば紙面が「うるさい」ところに、太めの青インクでザクザクと書いていく、そして書いたものがある種のムードを生み出す。そのフィーリングがしっくり来る。
このフィーリングをうまく説明したいのだが、なかなか難しい。上記のサイトにあるように「美しいノート」なのかもしれない。バイオレットとフレンチブルーのコンビネーション。ある種のバランス、統一感、まとまった感じがあるように思える。あるいは、自分は美しい文字は書けないのでアレだけど、それがむしろ実践的で頼もしい、というニュアンスもある。
この罫を、うるさいと書いてしまったけど、同意見の人も多いだろうと思う。日本製のほとんどノートよりも目立つ。しかし、そこに、さらにうるさい太い青を加えることで、バランスが取れるのかもしれない。
実際に青インク+クレールフォンテーヌで書いた写真でも載せようと思ったけど……、自分の字ではまったく説得力がないので、止めておく。「clairefontaine blue ink」などと画像検索すると、何かしら出てくるものと思われます :-)
▼なんでそうなるのか妄想してみる
聞くところによると、クレールフォンテーヌの本国・フランスでは、黒ではなく青インクを使うことが普通らしい。そして、漢字のようにこまかく書く必要がないので、太めのペン先が好まれるようでもある。通常、ヨーロッパ製の万年筆を日本語用に使おうと思うと、日本製のものよりも1〜2段階細い表記のモデルを選ぶことになると思う。
さらに言えば、クレールフォンテーヌのベラム紙は、太めの万年筆にちょうどいい。しっとりとして滑りすぎず、なんとも言えないいい書き味になる。いい。パイロットのカスタム74なら、Mとか。逆に、FやEFといった細めの万年筆だと、ちょっと引っかかり過ぎるような感触がある(と言っても自分の手持ちの万年筆に限られた話。たくさん試したわけではないので、違う感想の人も多いと思われます)。
つまり、クレールフォンテーヌのあの紙&うるさい罫線はそういう使い方を前提にしている。太めのペンで、青インクで使う想定でデザインされている。自分の、0.7mmエナージェル青という好みも、それほどハズしてはいない。……正解かどうかはわからないが、遊びで、そんな推測 or 妄想をしている。
逆に日本のツバメノートやコクヨのキャンパスノートに、太めの青で書くと、かなり文字の方がうるさい感じがする。なんというか、嘘くさいというかそらぞらしいと言うか……。基本的に「静か」な日本のノートには、黒インクが合うように感じる。
正直に言えば、別にそこまでこだわってはいない。基本的に、手近にあるもので書く。前述のように美しいノートなど作れないし、別にそこにはこだわっていない。それに上記の「フィーリング」みたいなものはちょっとしたことで変わる。ごくあいまいな話。
けれども、紙に、また自分の書いたものに何ごとかを感じている自分もいるのは間違いない。で、しっくり来るものには、何か理由がある。しっくり来れば、実用上も捗る。……そんなことも思っている。